2019/04/25

結果を出し続けるためにメンタルマネジメントが必要な理由

「企業の中で仕事へのやる気が見いだせない」「残業が続いて心が折れそう」「ほかの社員との折り合いが悪くてストレスで体調が悪い」など、メンタル面での問題が社会問題として表に出てくる時代になりました。

「根性論」ですべてを済ませていた時代もありましたが、現在では他者の力も借りながらメンタルをマネジメントしていこうという時代になりました。ではメンタルをマネジメントする、いわゆる『メンタルマネジメント』はどのようなもので、どのような場面で役立っているのでしょうか。

「メンタルマネジメント」と「メンタルヘルスマネジメント」の2つに分けてご紹介します。

 

モチベーションの維持とメンタルマネジメント

モチベーションの維持をよりポジティブな方向に持って行くためには、メンタルマネジメントが良いとされています。まずはメンタルマネジメントがどのような場面で必要とされているのかを紹介していきます。

 

メンタルマネジメントはどのような場面で役立つ?

メンタルマネジメントが役に立つのは、目標が既にあるけれどどうやってその状態に到達するのかが不明確、あるいはその迷いの中にいる人です。具体的に言うと「自らをモチベートして、最大限に成果を発揮するための心の整え方」ということになります。[1]

トップアスリートや各分野の第一線で活躍する人たちにとって、メンタルマネジメントは欠かせないものとなっています。プレッシャーのかかる場面での力の発揮の仕方や、高いモチベーションを長く持ち続ける必要がある場面で重要とされています。

 

メンタルマネジメントとは「モチベーションのコントロール」

「英会話スクールに申し込んだけれど1か月で行かなくなってしまった」「自己啓発のために休み時間にビジネス書を読み始めたが、数か月で自然消滅した」など、続けていたらきっとものになったであろうことでも『続かない』『どうせ無理だとすぐにあきらめてしまった』ということはよくありますよね。

最初は無理をしてでも時間を割いて情熱的に取り組んでいたことも、やる気が続かなければ徐々にその時間は少なくなり、ついにはやめてしまうということになります。それはひとえに「やる気=モチベーションのコントロール」がうまく行かなくなった代表例といってよいのでしょう。

モチベーションを維持するには最初に思い描いていた理想の姿に近づけるよう、メンタルを維持する必要があります。この「メンタル維持」に欠かせないのが『メンタルマネジメント』です。

 

メンタルマネジメントを必要とする場面

では具体的にどのような場面でメンタルマネジメントを必要としているのでしょうか。

メンタルマネジメントの本家本元であるアスリート界において「あがり症」の解決のためにメンタルマネジメントが利用された例があります。情動のコントロールや思想のコントロール、集中力のトレーニング、肯定的自己概念の形成と自信を持つためのトレーニング,などに着目したメンタルマネジメント・プログラムを経て、集中力の高まりやポジティブさ、プレイへの喜びが高かったという結果が得られています。[2]

ビジネスの世界においても、これまですべてが順風満帆だったという人はほとんどいません。誰しも何かしら困難があり乗り越えてきたはずです。もしくは乗り越えられなくて諦めて別の道に進んだという人もいるかもしれません。

しっかり準備してきたにもかかわらず本番のプレゼンでうまくいかない人、目標を立ててもすぐに計画倒れになってしまう人や就職活動で面接に5回程落ちたところで就職をあきらめてしまった人など、メンタルマネジメントが必要な場面は多くあります。

 

モチベーションが極限まで下がっている社員に対してはメンタル『ヘルス』マネジメント

会社においてはメンタルマネジメントの中でも、健康に影響を及ぼすようなマイナス要因を取り除くための「メンタル『ヘルス』マネジメント」が必要とされることがあります。メンタルマネジメントとメンタルヘルスマネジメントの違いを見ながらご紹介していきます。

 

メンタルヘルスマネジメントとは

メンタルマネジメントはアスリートやビジネスパーソンに必要な「あがり症の解消」や「目的を達成するため」など、メンタルをプラスの状態に持って行き、自らのパフォーマンスを最大に引き上げる役割を果たしていました。

メンタル「ヘルス」マネジメントでは、メンタルがマイナス方向に行かないよう職場環境の改善やストレス緩和をするなど、健康面におけるサポートを重要視しています。[3]

 

メンタルヘルスマネジメント検定について

近年企業の中でも労働生産性の維持・向上及び離職防止のため、組織的にメンタルヘルスマネジメントを導入する必要が出てきました。職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得するための資格、「メンタルヘルスマネジメント検定」が年に2回、11月と3月に実施されています。(I種のみ年に一回)

メンタルヘルスマネジメント検定は「マスターコース(Ⅰ種)」「ラインケアコース(Ⅱ種)」「セルフケア(Ⅲ種)」という3つの級に分かれており、マスターコース(Ⅰ種)で10~20%程度、ラインケアコース(Ⅱ種)で50%程度、セルフケア(Ⅲ種)で70~80%の合格率となっています。

最も難易度の高い「マスターコース(Ⅰ種)」は人事労務関係スタッフや経営幹部向け。社内のメンタルヘルス対策を推進できるレベルが要求されます。具体的に言うと専門家・機関との連携やメンタルヘルスケアの計画や教育・研修の立案と実施に関するものです。

「ラインケアコース(Ⅱ種)」は管理監督者向けで、上司としての部下のメンタルヘルス対策を推進できるレベルが要求されています。具体的には部下の維持・管理及び見守りと、いざとなった場合に安全配慮しながら対応できるというものです。

「セルフケア(Ⅲ種)」は一般社員向けとされており、自らケアを行い必要な時には助けが呼べるレベルとなっています。基礎知識をはじめ、ストレスのセルフチェック及び対処方法に関する内容です。

受験者は年々増えており、特に管理監督者向けのラインケアコース(Ⅱ種)では、2倍ほどに増加しています。企業内において従業員に対するメンタルヘルスマネジメントを重要視する傾向にあるといえるでしょう。[4]

 

事例研究:メンタルマネジメント・メンタルヘルスマネジメントの使いどころ

では、メンタルマネジメント及びメンタルヘルスマネジメントは、実際の現場でどの様に利用され、役に立っているのでしょうか。具体的な例を挙げながら紹介していきます。

 

メンタルマネジメントを用いた事例

スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、実力が互角にもかかわらず結果が残せる人と残せない人がいます。この2人の違いは「メンタルマネジメントができているかどうか」ということになります。

商社Kに勤めるM氏は社歴14年目の中堅社員です。入社4年目に営業部から現在の情報管理部に異動して来て10年目、社歴も14年目と長いのでそろそろ係長への昇進話が出ているのですが、上司のJ部長は渋い顔です。それはM氏の活躍に、ここぞという決め手がないためでした。

M氏は現在の部署に異動してくる前は営業部で仕事をしていたのですが、大口契約を解除されてしまうという失敗をしていました。「緊張すると、なんだかすべてうまくいかなくなってしまう」とM氏は言います。人物的には気配りのできる良い人なのですが、過去の一件から委縮してしまって、可もなく不可もない無難な仕事のみをしており、本来の力が発揮できていないようです。また、情報管理部では年度初めに複数の目標と担当者を決めているものの、M氏が担当する案件は途中で不完全燃焼いる課題も多いのです。この企業で成長しゆくゆくは役職も欲しいと思っていると言っていたM氏ですが、J部長は物足りなさを感じていました。

そのためJ部長はM氏の将来を思い、メンタルマネジメントの研修を受けさせることにしました。週に1度、3か月間のメンタルマネジメント研修で、緊張、プレッシャー、焦り、不安の扱い方や過去のマイナスの経験との向き合い方を学んだことで、研修後のM氏の仕事ぶりに変化が現れました。

当たり障りのない仕事をしていたM氏が、少しずつ会議で意見を述べるようになり、難易度の高い仕事にもチャレンジをし始めました。不完全燃焼になっていた課題についても、周りの力を借りながら再度検討し取り組んでいるといいます。

M氏いわく「メンタルマネジメント研修を受けて不安や焦りを感じることや、失敗をすることは当然で、自分なりの対処法を学ぶことができた。また過去の失敗についても向き合い方が分かった」といいます。M氏の不安への対処法とは焦りや不安の原因をしっかり把握し、それを紙に書き出すことでした。それによってその不安材料の1つ1つに対策を行うことが、M氏の「失敗したらどうしよう」という不安を小さくしメンタルを強化するとともに仕事の質を向上させ、行動にも変化をもたらしたのです。

M氏の「失敗してはいけない」「まただめかもしれない」という悪いサイクルから抜け出すきっかけとなったメンタルマネジメントはM氏が係長に昇進した今、部下教育にも生かされています。メンタルマネジメントの研修を通して、あがり症の解消方法を模索し、自分の行動に自信を持つことができた事例です。

 

メンタルヘルスマネジメントを用いた事例

IT企業Aに勤めるKさんは2年前に双子を出産しました。子供達が1歳になる年に復職し現在時間短縮勤務をしていますが、毎日仕事と子育てに追われてかなりつらそうな様子で、仕事上のミスも増えていました。でもこのような人はKさんだけではなく、他にも何名かいるのです。Kさんにヒアリングをすると、子育てと仕事の両立が難しく、職場復帰して3か月後に夫が海外出向しワンオペレーション育児になってしまったことでつらい思いをしているといいます。生活も仕事もギリギリの状態のようです。

そこでメンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種の資格を持つ人事部長F氏は、メンタルヘルスマネジメントの研修を社員に向けて実施することにし、自らのストレス度をチェックできるストレスチェック表を配布しました。さらにストレス度が一定以上の人に対しては面談を行い「いったん休暇を取らせる」「勤務体制を見直す」などの対策をとることになりました。

Kさんのストレスレベルは既定の数値を上回るものであったため、数日間の有給休暇を強制取得させました。またその間に取締役と相談して勤務体制の見直しを行い、可能な限り自宅からのリモート勤務を取り入れるシステムを導入しました。「条件を満たすとリモート勤務可能」という就業体制の見直しによりその制度を利用する人が増え、健康や生活事情の変化を理由とする退職者も減りました。

体調が悪く長期休暇を取っていた人も、リモート勤務で復帰することができました。Kさんも現在はリモート業務をしていますが、夫の帰国をきっかけに職場出勤したいと伝えてきました。もちろん、F氏はうまく行かなかったときのためにいつでもリモート勤務に戻れるようサポートするつもりです。

メンタルヘルスマネジメントの資格を持つ人が「ストレスチェック」「個人のケア」「職場改善」という3点を導入したことで、離職率の低下と社員の健康に良い影響を及ぼしたという例です。[5]

 

まとめ

周りからの期待や圧力、人間関係の問題などストレスの多い現代社会において、個人として、社会人としてメンタルをいかに強く保っていくかは大きな課題となっています。メンタルマネジメント及びメンタルヘルスマネジメントを学ぶことにより、一人で悶々とする時間は少なくなり、結果にコミットできるようになります。

「大人数の前に出てしまうと頭が真っ白になる」や「やる気が出ない」「出社がつらい」と感じている場合には、あがり症や精神疾患の元となるストレス・緊張の逃し方やメンタルを強く維持するためのメンタルマネジメント及びメンタルヘルスマネジメントが、あなたの生活の一助となるかもしれません。

 

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参照
[1]https://www.hj.sanno.ac.jp/cp/distance-learning/course/B560-01.html
[2]http://ir.jwcpe.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/537/1/nichijo_kiyo33-15.pdf
[3]https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/01/pdf/041-053.pdf
[4]https://www.mental-health.ne.jp/about/
[5]https://cweb.canon.jp/mental-health/improvement-necessity.html