2019/05/31

女性リーダーの増加が国を変える!男女雇用均等の目標と女性リーダーの育成

日本で女性の社会進出が一般的になった昨今、男女雇用均等の目指す先として「女性リーダーが生まれる環境を確保すること」が挙げられています。しかしながら女性リーダーの数は増えてはいるものの男女比率五分五分というまでには程遠いのが現状です。

 

ではどのような要因が女性リーダーの誕生を妨げる要因になっているのでしょうか。

 

女性リーダーの進出を妨げる要因

女性リーダーが少ない企業の「女性リーダーが少ない理由」として挙げられるのが「在職年数を満たしてしていない」「必要な知識や経験などが身についていない」など、在職期間由来のものです。出産を機に退職する女性が半数を超えており、在職期間の短さはこの「一定の時期に退職してしまう」ということに原因があるようです。

 

しかしながら企業に制度や雰囲気が整っていないケースだけではなく、「子育てと両立できなかった(26%)」というケース、そのなかでも「保育園が確保できなかった(20%)」など社会的問題が含まれているケースも多く見られます。[1]

 

女性リーダーが置かれている状況

女性がリーダーとなった後も、置かれている状況は男性リーダー以上に厳しいといえます。周りに女性リーダーがいなければ孤立しやすく、仕事を進めていくことは容易ではありません。

 

さらに業務への責任が大きくなり生活と仕事の両立が困難な中でも「妻」「母親」「リーダー」など複数の役割を放棄することなく続けていく必要があります。「家事や子育てを妻に任せられる」事が多い男性リーダーとは状況が大きく異なります。

  

女性リーダーが増えない理由

たくさんの役割を持ちしかもその役割を放棄することができない働く女性たち。普段の生活だけで精一杯なところに「リーダーになりませんか?」と内示を受けて、すぐに返事ができるでしょうか?

 

社会的に「女性リーダー推進」を掲げていても、環境の整っていない現在の日本社会では手を上げにくい、手を挙げられる状況にない女性たちが圧倒的に多いのです。

 

女性リーダーになるメリットとは

日本は少子高齢化、働き手不足が指摘されており、働き手を増やすためにも女性が必要だという理由はうなずけます、しかし日本以外の多くの国々でも「女性リーダー」が必要とされているのには、何か別の理由があるはずです。女性の社会復帰を後押しし、さらに女性リーダーとしてリーダーシップを発揮してもらうことに、「働き手不足解消」以外のどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

女性リーダーの特徴と強み

現在の社会で求められているリーダーは「変革型リーダーシップ」と呼ばれる「信頼、モチベーション、傾聴力、コーチング力」に長けたタイプのリーダーです。女性と男性は一般的に持ち合わせている特徴も、求められている特徴が異なっていますが、この「変革型リーダー」素養の多くを備えているのは男性よりも女性に多いことが分かっています。[2]

 

男性が変革型リーダーになろうという場合にはセミナーや研修を受けながら、かなり努力をしてその素養を身につける必要があります。それは多くの場合男性リーダーは旧型リーダーになりやすい傾向にあるからです。

 

女性らしい特徴として挙げられる「優しい」、「周囲への気遣い」、「良い聞き役」、 といった共同的な特質は変革型リーダーにはぴったりです。女性リーダーは意識せずとも自分らしさを発揮すればよいリーダーになれる可能性が高いというのが特徴です。

 

ヨーロッパの強力な女性リーダー

日本政府の女性リーダー比率目標は「2020年に30%」ですが、現在は7.2%と低い数値です。[3]欧米諸国においては女性リーダーの割合が30%を超えています。特に米国では女性管理職が43%というほとんど男女格差を感じられない数値です。

 

特に1995年以降女性のリーダー率30%を維持しているイギリスと、2010年以降25%を超えて伸びているドイツにおいては、女性首相が活躍し大きな功績を残しています。[4]

 

ドイツ首相 アンゲラメルケル

2019年現在ドイツの首相を務めるアンゲラ・メルケル氏は、ドイツ初の女性の首相です。2021年に退陣すると公言している彼女は、51歳で首相になった当初は歴代最年少首相、女性ということもあって首相に就任する前は「お嬢さん」などと呼ばれていましたが、現在は持ち前の指導力でドイツをけん引しています。

難民問題などで非常に苦労している政治家でもありますが、2011年の東京電力・福島第一原子力発電所の事故を受けて脱原発へと方向転換、前政権の方針を踏襲しつつ経済を上向きにした、今も活躍を続ける女性リーダーです。[5]

 

イギリス初の女性首相 マーガレットサッチャー

保守的かつ強硬なその政治姿勢から「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー氏。財政赤字を克服しイギリス経済を立て直した救世主とも、失業者の増加や地方財政の悪化を招いたともいわれています。

 

エピソードも多く、たくさんの書籍や映画に取り上げられている彼女は「セルフプロデュース力」にも注目が集まっていました。ファッションに気を使う一方、不調に陥っていたイギリスにおいてサッチャリズムと呼ばれる新自由主義に基づいた電気、水道、ガスといったパブリックセクターや空港、航空といった大規模産業を民営化や金融部門の規制緩和などを断行しました。[6]

 

 

女性リーダー育成に必要なこととは?

女性リーダー育成に関しては後進国ともいえる日本。今後女性リーダーを育成する、増やしていくためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。女性が働きやすい職場を整えて女性リーダーとなりえる女性従業員を増やす、そして女性がリーダーになった後も長くリーダーとして続けていける環境について考察していきます。

 

女性が活躍できる環境を整える

女性リーダーが活躍しやすい環境を作り出すことは、働き方改革で推進していることと大いに関係しています。つまり男性にとっても居心地の良い会社づくりの第一歩とも言えます。

 

女性が働きやすい環境には以下のようなものがあります。[8]

  1. 女性社員・リーダーが多い
  2. 育児や介護に理解ある職場である
  3. 男性・女性共に長く働ける

 

まず女性的な資質としては共感力やコミュニケーション力が挙げられます。[9]それだけに女性社員やリーダーが少ない職場では「共感が得られない」「コミュニケーションがとりづらい」と感じますので、女性にとって働きづらい職場です。風通しが良く、自分と同じような女性社員がいる会社ではのびのびと仕事をしてくれるでしょう。

 

「育児や介護に理解がある」環境は、出産の負担がかかる女性にとって重要なポイントです。育児や介護をメインで行っている女性は多く、育児や介護で手いっぱいになり退職していく女性もいるくらいです。育児や介護関係の休暇を取りやすい、急な休みにも他の社員の協力や共感が得られるなど働き続けやすい環境を整えることで、人生の節目でキャリアをストップする必要はなくなります。

 

残業が多い、評価基準が明確で納得できる、十分な給与をもらっている、時短勤務や在宅勤務など柔軟な働き方が選択できる、有給休暇が取りやすいなど、社員が長く働きたいと思う条件を整えていくことも大切です。男性であれ女性であれ、不当な扱いを受ける会社で働こうとは思いません。

 

職場環境を整えることにより、女性従業員が仕事を続けやすくなります。女性リーダーが少ない理由の一つとして「在職年数を満たしてしていない」「必要な知識や経験などが身についていない」という会社が多いと紹介しましたが、長く働いている女性社員が増えればリーダーの条件を満たす女性社員が増えることになります。

 

リーダーになった女性が抱える悩みに寄り添う

リーダーになった後、数か月で体調を崩してしまう社員は、男女ともにいます。男性社員であれば周りに男性リーダーがいますから、自分と同じ悩みを抱えるリーダーに個人的に相談することができますが、女性リーダーの場合は圧倒的に数がいません

 

女性リーダーの上司が女性の場合や、周りに女性リーダーが多くいる職場であれば問題ありませんが、そうでない場合には女性リーダーが抱える悩みに寄り添う必要があります。男性リーダーにはない部下からの風当たりの強さや、リーダー業務での「これでよいのか」という葛藤、リーダーになって感じるプライベート・仕事間でのジレンマなど、はじめは多くの悩みを抱えているはずです。

 

しかし男性上司の中には女性の部下(リーダー)をどう扱ってよいかわからない、気を使いすぎるあまり不快な思いをさせているというケースも少なくありません。「気を使って聞いたつもりなのに泣かせてしまった」と気を使ってくれた側が罪悪感を覚えることもあります。そのようなケースでは「女性の部下を持つ男性管理職向け研修」を受けてみるのも一つの手です。[10]

 

女性に合った育成研修を実施する

女性に合った育成・研修を行う或いはそのような場に出席させることにより、効果が上がることがあります。特にリーダーが少ない企業の女性リーダーであれば、外部の研修に参加して他の企業の女性リーダーとつながりを持つこともできます。

 

女性リーダーは男性とは違ったタイプのリーダーになることが多いため、「これでいいのか」「自分にやれるのか」と不安になっていることがあります。その不安を取り除き、目指すリーダー像を明確にすることができます。[11]

 

民間でも育成プログラムや研修が実施されていますが、内閣府においては女性リーダーのさらに上を行く「女性役員育成」という目的で研修を実施しています。[12]

 

全ての女性がリーダーになれるわけではない

どんなに女性リーダーの増加が急務といえども、女性従業員を手あたり次第管理職候補とすることをおすすめしているわけではありません。女性が男性より緩い条件(実力、社歴など)でリーダーになればただの「女性えこひいき」です。

 

リーダーとしての資質がない女性もいる

どのような人にも向き不向きがあるように、リーダーとしての資質がない女性もいます。セルフマネジメント能力やコミュニケーション能力など、リーダーには欠かせない基本的な資質を欠いている人材では、性別にかかわらずリーダーになることはできません。

 

リーダーとしての資質を兼ね備えているかどうかは、しっかりと見極めましょう。

 

リーダーになりたくない人には強要できない

また本人が嫌だというのに無理やりリーダーに据えることほど滑稽なことはありません。本人の希望を聞きながら、会社としてどのようなことを期待しているのかなど、しっかりとすり合わせをしましょう。

 

「昇格」であるとはいえ、不本意な役職を押し付けられるのは苦痛でしかありません。

 

まとめ

女性リーダーはまだまだ少ないという状況ですが、現在仕事をしている女性は増えつつあります。「女性は家庭で」という時代ではないものの、多くの女性の方に「家庭」での仕事が存在するのも事実です

 

女性リーダー排出への第一歩は、女性社員の置かれている状況を理解し共感することだといってもよいでしょう。

 

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参照
[1]http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/bunka/koyou/dai7/siryou3-2.pdf
[2]https://www.recruit.co.jp/sustainability/data/iction/20170707_17552.html
[3]http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180805.pdf
[4]http://hdr.undp.org/en/data
[5]https://www.christiantoday.co.jp/articles/24495/20170925/angela-merkel.htm
[6]http://www.ritsumei.ac.jp/~yamai/7KISEI/iwasaki.pdf
[7]https://diamond.jp/articles/-/73757?page=3
[8]https://toyokeizai.net/articles/-/185837
[9]https://www.j-mac.or.jp/mj/download.php?file_id=534
[10]https://www.attax.co.jp/service/training/training07/
[11]https://www.insource.co.jp/bup/womanleader_skillup.html
[12]http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/leaders_training.html