2019/07/24

「イヤな部下」「重い職責」と接して、心を病んでしまう管理職が増えている。

以前、あるIT業の課長さんと、こんなやり取りがあった。

 

「新しく配属された人が、本当に悩みのタネでして……」

「なぜですか?」

「単純に、仕事をしないんです。依頼したことはやらないし、改善してもらおうとしても、生返事でわかっているんだかわかってないんだか……」

「人事や部長に相談しましたか?」

「ええ、しました。けど「他に人はいないし、なんとかうまく使ってくれ」と。どうやら他の部署で使い物にならなくて、うちに回されてきたようです。」

「なんとか戦力化出来るといいですね……」

「でも、彼は戦力化以前の問題なんですよ。なぜか私、嫌われているようでコミュニケーションが取れないですし……。」

「嫌われるような心当たりは?」

「怒ったりとか、責めたりとかは一切してません。パワハラって、言われてしまいますんで、すごく丁寧に単に仕事のお願いをしているだけです。」

「どんな感じなんですか?」

「これお願いしたいんですけど、というと「忙しいです」と言われます。「ではいつまでにできそうですか?」と聞くと、「わかりません」と。」

「……難しいですね。」

「人事に相談したんですが、「課長としてのチャレンジです」と。もう泣きそうです。自分で採用したなら、責任も持とうと思いますが……。」

 

彼はかなり参っているようだった。

そして、最悪なことに、この課長さんは半年後、心を病んで休職してしまった。

 

そして最近。

全く同じような事象に言及するTweetを見た。

ああ、これは上司が絶望するやつだ、と思った。


「人をつかう立場」になった瞬間に直面せざるを得ない問題が、「コミュニケーションを拒否する(しているように見える)人」だ。

 

「考えるのが苦手な人もいるよ」とか

「上司の指示が悪いのでは?」という方もいるが、どうやらこれは能力や指示の内容の問題ではない。

 

「そういうことはしたくないんで。」とか

「考えられないんで。」とか

「しりません。」とか

 

そういう、交渉を拒否する人がいるという、深刻な問題だ。

 

もちろん「結果を出せない人」や、「ミスをする人」、あるいは「能力が不足している人」というのは存在している。

 

だが、それは上司としては許せる。

というか、許さざるを得ないし、そこから職務を分解したり、仕事を入れ替えたりして、なんとか仕事を遂行できるように持っていくのが、上司の役割だ。

 

だが、「何もしたくない」という人や「考えたくない」という人には取り付く島もない。

上司が一番困るのは、そう言う「全てを拒否する人」である。

 

もちろん、上司も最初の何回かは我慢する。一生懸命歩み寄ろうとする。

そして、

「そこをなんとか」

「お願いしますよ」

「これだけでいいんで」

と、なんとか仕事をしてもらえるように「お願い」する。

 

もちろん、旧来の上司だったら、怒ることもあるだろう。

「その態度は何だ!」とか、

「礼儀がなってない!」とか、

「やる気を見せろ!」とか。

 

ただ、最近はそういう事を言うと、すぐに「パワハラ」などと言われてしまうので、

そう言うことも軽々しく言えない。

だから、今の上司が出来るのは「命令」ではなく「お願い」だ。

 

だが、「お願い」が無碍に断られ続けると、上司はもう「ああ、この人とは仕事できないな」と思ってしまう。

そして、それが続くと、上司も徐々にその人とと話すのが辛くなってくる。

冒頭の話にある通り「イヤな上司」と同じくらい「イヤな部下」と接することは、心を病むのだ。

 


そして、徐々に上司は自分の心を守るため、「その人と接しないこと」を第一に考えるようになる。

 

「ダメな部下でも、使わないといけない」と指示される中間管理職のつらさ。

「そんなの上司のマネジメント力不足だろ」と心無いことを言う人もいる。

そうかもしれない。

 

が、彼らも普通のサラリーマンである。

少し考えてみれば「完全な管理職」など、どこにも存在しないことは容易に想像できる。

管理職も部下たちと同じく自分の能力不足と向き合いながら、日々悩んでいるのである。むしろストレスの度合いは一般社員に比べて大きい。

 

実際、JTBコミュニケーションデザインの調査では、現在の管理職は権威が失われ「上司」と「部下」の板挟みで苦しんでいる存在である。

 

平成時代の課長は、「ストレス」「板ばさみ」「これでいいのか不安」。かつての課長の権威はなく。

 

平成時代を課長として過ごした日々を振り返ってもらったところ、最も多かったのは「ストレスが多い」(46.8%)で、以下「上司と部下の板ばさみになる」(37.1%)、「課長としてこれでいいのかと不安がある」(34.0%)、「忙しく、時間の余裕がない」(32.6%)、「課長は孤独である」(32.1%)が続きます。

「平成の課長」調査発表

 

とくに自分が採用に関わっていない、ダメな部下を「使わないといけない」状況に追い込まれた管理職は、本当にストレスフルな仕事だ。

 

「働き方改革」によって、会社は社員に残業させず、無理を言わず、ますます優しく接するようになっている。

もちろん「ブラック」な会社も数多くあるが、全体からすれば僅かな数である。

 

 

「週60時間以上・年収250万円未満」の「ハードワーキングプア」は確実に減少している。

 

絶対数で見ると、2012年の394,900人に対し、2017年には物価上昇分を考慮しても340,146人が該当する(尚、物価を考慮しないと、2017年の実数は272,900人である)。

ブラック企業は減ったのか? 5年に1度の大規模調査で検証する

 

だが、その「しわ寄せ」はどこに来ているかといえば、これは間違いなく残業などの制限がない「管理職」だろう。

 

ある損害保険会社の管理職は、こんな事を言っていた。

 

「客先でちょっと嫌なことがあると、すぐに休職するひとが本当に増えた。ウチの職場でも3人休職中だ。もちろんうちはホワイト企業だから、彼らに給料は出し続けているけれど、その分のお客さんは、管理職が引き受けている。残業代はもちろん出ない。一般の社員のときに比べて給料は減るわ、なにか起きるとすぐに責められるし、責任ばかり重くて嫌になる。管理職になんか、なるもんじゃないよ。」

 

いままで日本企業の屋台骨を支えていた「責任感ある管理職」が崩れた時、組織がどうなってしまうのか、想像に難くないだろう。

 

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