2020/04/13

逆境に在る時ほど学びたい 困難な状況で生き延びるための「全てをゲーム化する」力とは

刺激のない仕事や、制限の多い生活、病気や不幸ーーー人生にはいろんな時期や困難があります。同じ環境でも、自暴自棄になってしまう人と、その中でも希望を見出し、努力していく人がいます。この差はどこから生まれるのでしょうか。

 

極限状態をどう生き抜くか

 

2020年春現在、各国ではCOVID-19の蔓延により、世界は大きく揺れ動きました。中には、蔓延を防ぐため、緊急事態やロックダウンなどを宣言する都市も出てきました。そんな中、危機を生き抜くためのモチベーション管理が、改めて見直されています。

人生には山もあれば谷もあります。どんなに安定していたようにみえた会社や人でも、いろんな状況におかれることが起きるのです。

ウイルスだけではありません。不本意な部署に配属されたり、失業したり、病気になったり、災害にあったり、法律が変わったりーー困難というのはある日突然やってきます。

困難のときにどのようにモチベーションを維持するのか。
たくさんの読書体験は、間違いなく一つの助けとなります。

エリック・パーカーが書いた「残酷すぎる成功法則」という本は、そんな書籍の一つです。

ここには、南半球で最大の山である、ペルー・アンデス山脈のシウラ・グランデ峰で遭難したジョー・シンプソンとサイモン・イェーツのストーリーが出てきます。[1]

二人は無事、頂上にたどり着きますが、問題はその後でした。ジョーが下山のときに滑落してしまい、高所にいながら、足を骨折してしまったのです。

絶望的な状況で、救援も望めない中、どう生き延びたのか。

最初、二人は、ザイルで体を結びつけ、急斜面に沿ってジョーの体を滑り落とす方法で、なんとか下山を試みます。しかしその後、深さ100メートル以上のクレパスに、ジョーが落ちてしまうのです。サイモンはジョーが死んだと思い、諦めてザイルを切断してしまいました。

この絶体絶命の中、ジョーがたった一人で(足を骨折しながらも)生き抜いた方法、それが「この状況をゲームに見立てる」というものでした。目標物を設定し、「二〇分であの氷河までいけるだろうか?」などと設定しては、その通りクリアすることを自分に課し、ゲームに夢中になりました。

そして、ゲームをクリアすることを繰り返しているうち、彼はベースキャンプにたどり着き、命拾いすることができたのです。

このことから私たちが学べることは、「なんでもゲーム化」することです。

 

地域ロックダウン期間を楽しむ人、恨み節になる人

 

「ゲームに見立てる」ことで、受験勉強やつまらない仕事を乗り切ってきた、という人の話を聞いたことがあるかもしれません。マラソン・ランナーや辛い仕事をして、実際にそれを体験した人もいるでしょう。

このゲーム化は、極限状態の人を救うようです。

2020年現在、COVID-19の蔓延で、米国や英国など、各国がロックダウンを行っています。筆者の住むマレーシアでもすでに行動制限命令(MCO)が出ていて、すでに三週間目に入っています。

マレーシアのMCOは非常に厳しく、買い物以外で外に出るのはほぼダメ。ジョギングや散歩などしていると、軍隊や警察に逮捕されてしまいます。外に勝手に出ている人がいないか、警察はドローンを使って監視し始めました。

ところが、よく見ていると、外出ができないストレスはまったく同じでも、楽しむ人がいれば、ひたすら苦しい人もいる。苦しむ人は、誰かのせいにして怒ったり、愚痴をぶつけたりしています。楽しむ人をよく見ていると、このゲーム化を巧みに取り入れている人が多いのです。家でいかにクリエイティブに過ごせるか、料理のアイデアやユニークな映像をインターネットで共有して、ユーモアを生み出しています。

 

退屈をなくせば努力は必要なくなる

 

最前線で本当のウイルスと戦う人たちとは違って、一般の人たちが戦うべき相手はこの「退屈」です。退屈に負ければ、精神が荒廃し、免疫も下がってしまうからです。

与えられた家で、どう退屈を凌ぐのか。ゲーム化できている人は、精神の安定化に成功しています。彼らは視座も高く「こんな状況でも、病院でマスクもなしに戦ったり戦争したりするよりマシ」と考えているのでしょう。

先の書籍によれば、作家のデヴィット・フォスター・ウォレスはかつて「退屈をなくせば努力は必要なくなる」と言ったそうです[2]。「退屈を退屈ではなくす」方法を習得してしまえば、どんな困難にも立ち向かえますし、努力をしている感覚を感じることなく、目標に到達するというワケです。

この本には、海軍の特殊部隊シールズの訓練BUD/Sを耐えたジェームズ・ウォーターズの話も出てきます。[3]

地獄のような訓練と言われる特殊部隊ですが、その厳しい訓練を生き抜くコツについて、ジェームス・ウォーターズは「これは一種のゲームなんだ。だから勝つためには楽しむこと。それと、つねに大局的な視野で捉えること」と言っています。

先の山での経験と同様。全てをゲームと思うことだというのです。それから、まるで天界から別の自分が眺めているように、視点を変えて、少し広い視野で物事をみることも重要になります。

 

ゲーム化の4つのコツ

 

ではどうしたら、状況をゲーム化できるでしょうか?

本書によれば、ゲーム化のコツは、
1.勝てるデザインになっていること
2.斬新な課題があること
3.目標があること
4.適切なフィードバックがあること
の4つ。

良いゲームは「プレイヤーが勝てる」デザインになっています。だから、勝てそうもないゲームなら、ミッションをクリアできるように分解する必要があります。骨を折って高い山を下山する時に「では次の茂みまで行ってみよう」と自分を鼓舞するように。

また、人の脳みそはすぐに退屈してしまいます。人間は常に刺激を求めているので、課題を加えて、没頭させるように自分で工夫しなくてはなりません。

また、プレイヤーが夢中になるためには、目標が必要です。ジョー・シンプソンが次の目標物までの時間を決めたように。

そして最後はフィードバック。たえずささやかな成功が得られれば、それで人は幸福感を持つそうです。
ナポレオンは「兵士は、わずかばかりの色付きリボンのために、延々と命がけで戦うようになる」と言いました。

これらのことは、実際にスマートフォンに一つ、流行りのゲームを入れてみると、容易にわかります。多くがこの4つの要素をうまく取り入れているからです。

小さな課題を繰り返して夢中になっているフローが生まれると、やがて大きな目標(ゴール)に到達するというワケです。

どんな退屈な日々も、辛いことも一歩引いて「これはゲームだ」と考える。
そんな気の持ちようが、危機を生き抜く人間には必要になってくるかもしれません。

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参照
[1]出典 エリック・パーカー著 橘玲(監訳)竹中てる実(翻訳)「残酷すぎる成功法則」(飛鳥新社)
[2]出典 エリック・パーカー著 橘玲(監訳)竹中てる実(翻訳)「残酷すぎる成功法則」(飛鳥新社)
[3]出典 エリック・パーカー著 橘玲(監訳)竹中てる実(翻訳)「残酷すぎる成功法則」(飛鳥新社)