2018/12/10

【事例つき】経営現場の問題解決に使われるフレームワーク5つ

ビジネスにおいては、日々さまざまな問題が発生します。その中で、手をつけなければと考えている勘案事項をたくさん抱えているマネジメントの方も多いでしょう。そのような現状の中で重視されるのは、問題解決をスピーディーに行うことです。

問題解決のスピード化をはかる解決策のひとつであり、簡潔で効果のあるツールが「フレームワーク」です。フレームワークとは、課題やその発生要因の分析を行うプロセスにおいて活用できるツールで、考えをまとめやすいようにポイントを押さえて構成されています。今回は、それらのフレームワークのうちいくつかを紹介しましょう。

また、その一方でフレームワークに依拠することの注意点についても、触れておきたいと思います。「頭でっかち」にならない様な心がけも、マネジメントには必要なのです。

 

問題解決の方法を考える

企業内部の経営者や従業員が、多種多様な問題解決の方法をそれぞれ個別に考えていった場合、多くの時間と労力が必要となります。解決のための時間と労力が確保できなかった課題は後回しにされ、問題解決に長い時間を要することになります。

問題解決をスピード化するためには、フレームワークの活用が有効です。問題の場面や種類によって適したフレームワークを五つ紹介します。

● 3C分析
問題解決のためには現状分析が必要です。企業の現状分析に適したフレームワークに「3C分析」があります。3C分析とは、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Oompetitor)を基準にその関連性から現状を分析するツールです。

● SWOT分析
企業の事業戦略やマーケティング戦略の問題解決のために適したフレームワークに「SWOT分析」があります。外部環境や内部環境を強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の四つの要因から、問題を解決するための戦略を分析します。

MECE
MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)は、問題解決の方法を考えるときに使える基本的なフレームワークです。MECEとは「重複なく、漏れなく」という考え方で問題点や原因の分析をするときの細分化や整理の基準になります。

● PDCAサイクル
問題解決を実行する場面で使えるフレームワークに、「PDCAサイクル」があります。PDCAサイクルとは、(計画)、 Do(実行)、 Check(評価)、Act(改善)の四つのサイクルを繰り返し実行していく手法で、机上ではなく現実に実行されている問題解決の作業を評価、分析して、さらに次の計画へつなげていく上昇スパイラル効果が期待できます。

● 緊急度・重要度マトリクス
多くの問題が発生した時には問題解決の優先順位をつける必要がでてきます。そのような時に役立つフレームワークが「緊急度・重要度マトリクス」です。問題を緊急である、緊急でない、重要である、重要でないという四つに分類して、優先順位をスピーディーに明確化することができます。

 

論理的思考で問題解決

そもそも、問題解決には、論理的思考(ロジカルシンキング)を活用したプロセスが重要です。ロジカルシンキングとは筋道をたてて考えるスキルで、問題を明確化する、原因を考える、解決策を立案する、実行する四つのプロセスで問題を解決します。

論理的思考では、「問題」を「現状」と「あるべき理想状態」とのギャップと考え、ギャップをつくっている原因を洗い出して、ギャップを埋め「現状」を「あるべき理想状態」にすることが問題解決となります。

スピーディーな問題解決のために、論理的思考(ロジカルシンキング)を活用したプロセスの場面でフレームワークを活用するのです。問題を明確化する、原因を考える、解決策を立案する場面では問題点や原因、解決策の分析に「MECE」を採り入れます。実行する場面では、「PDCAサイクル」を使うことで効果の最大化が期待できます。

 

必ずしも考えることに「固執しない」ことが重要

経営者が抱える問題は多種多様で、問題解決の方法を考えるには時間と労力がかかります。フレームワークは問題解決の方法や基準をパターン化したツールですので、フレームワークを使うことで、経営者は時間と労力を抑えることができます。

一方で、事業に重要なのは実践です。数多くのフレームワークを知っているというだけでなく、フレームワークに基づいた行動に従って数多くの実戦経験を積み上げていくことで、初めてそれが使えるかどうかがわかる様になります。常に実践を重要視するようにしましょう。

 

フレームワークは経営問題解決に有効か

「自企業の業界における立ち位置は?」「利益を上げるためにどうしたらいいのか」経営者であれば、自社の経営問題を解決するために自問自答していることでしょう。そんな時に有効なのが「フレームワーク」です。英語でフレームワークとは骨組みや枠組みを示す単語。ビジネスフレームワークといえば「ビジネスにおける課題を解決するための考え方」と置き換えてよいでしょう。

フレームワークが経営現場で利用されている理由

多くの経営者は「収入」「コスト削減」などの経営課題を抱えていますが、すべての経営者が経営課題の改善に全力を傾けることができるでしょうか。中小企業であればなおさら、経営者自らが業務についている場合もあり、目の回るような忙しさです。「一人で経営改善をやっていて方向性を誤ったらどうする?」「経営改善計画を考えている暇さえない」「改善案を実行したが部下がイマイチ本質を理解していない」そのような問題を起こりにくくするもしくは解決してくれるのが『フレームワーク』です。

フレームワークを使うメリット

「フレームワークってよくわからなくて苦手」という経営者は、かなりの損をしています。フレームワークを利用することによるメリットがあります。

1.経営課題に直接改善のメスを入れるので、時間の削減ができる(早い)
2.フレームワークの考え方を共有した複数人で経営課題の改善ができる(わかりやすい)
3.自分達では考えつかなかった新たな課題や視点を発見できる(盲点が少ない)

近年の世界情勢及び経済状況の激変により、これまで頼りだった経営者としての勘や経験がなかなか当たりにくくなっているのです。[1]
そこで、勘や経験に頼らない経営課題解決に役立つのがビジネスフレームワークです。

 

問題解決によく使われるフレームワーク5つと事例

フレームワークを利用することにより「早く」「わかりやすく」「盲点を少なく」経営課題を考えることができることをご紹介しました。
しかし一言で『フレームワーク』といってもたくさんの種類があり、○○という悩みにはこのフレームワーク、××という課題に対しては別のフレームワークを利用するというように、抱える経営課題によって利用するフレームワークが異なります。
ここでは、問題解決によく利用されるフレームワークを5つ紹介するとともに、各フレームワークの簡単な利用事例をご紹介します。

3C分析

3C分析のCとは「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」「Costomer(顧客」のことです。この3つのCを分析することで、『自社が置かれている立ち位置を把握する』ためのフレームワークが3C分析です。[2]

例えば自社が町の中にある小さな酒店だった場合

「競合他社:1、車で10分の距離に巨大複合施設
            2、ワインの種類は200種類、限定品などレアなものもある
      3、日本酒も100種類の取り扱い
      4、大手ビール会社のもののみ取り扱い
      5、生活雑貨含め、オンラインでの購入が可能
      6、車で5分の距離にスーパーマーケット(チェーン店)
      7、ワインは30種類、大手メーカーのもののみ
      8、日本酒は30種類
      9、ビールは大手企業のもののみ取り扱い       

「顧客:1、○○道ができたことにより、○○駅利用者が減少
    2、○○駅地下の飲み屋街30店舗の内7店舗が昨年閉店
    3、△△地区にベッドタウン建築、居住者募集中
    4、△△地区開発により周辺5キロ圏内の人口が上昇傾向にある
    5、日常的に酒を飲む人は減少傾向にあるがワインのみ上昇
    6、飲酒運転の罰則厳罰化(20XX年6月)
    7、昔からの住宅地も多く、65歳以上の人口率が上昇傾向
    8、今年5月、大手企業の開発した第四のビールが話題に    

「自社:【強味】
    1、○○駅から徒歩5分
    2、販売している日本酒は150種類
    3、ワインは60種類
    4、販売しているウイスキーが100種類
    5、ビールは地ビール30種類
    6、駐車場は10台まで駐車可能
    7、創業100年で、ウェブサイトあり
    8、オンラインでの商品購入可能(1万円以上購入で送料無料)

    【弱み】
    1、見かけが古くなりつつある(築35年)
    2、周辺住宅地内での認知度はそこそこ、遠距離になると認知度が低い

以上のように、3Cによる現状を抽出します。客観性を保つため、具体的な数値をあげておくことが重要です。自分の夢や希望などを入れないようにして事実のみを記載します。

顧客と競合他社の情報から、自社項目を「強み」と「弱み」に分けます。これが3C分析です。この3C分析の結果を見て、強みをより伸ばしたいと考えるのか、弱みを解消したいと考えるのかは経営者のセンスになります。[3] 

アンゾフの経営マトリクス

アンゾフの経営マトリクスはアンゾフの多角化戦略などともばれており、「経営戦略の父」とも呼ばれるイゴール・アンゾフによる事業の成長や拡大を行う際に利用されることの多いフレームワークです。
この経営マトリクスでは「市場」と「製品」を「既存」と「新規」に分けて、「既存市場の既存製品=市場への浸透」「既存市場の新規製品=市場開拓」「新規市場の既存製品=商品開発」「新規市場の新規製品=多角化」の4つに分けて今後の事業展開を分析するものです。[4]

現在の事業が中華レストラン事業で、今後事業の拡大をしていきたいと考えています。どのような事業拡大が考えられるのか?を検討するため、以下のようなマトリクスを利用します。

            市場
既存 新規
製品 既存
  1. 日本風中華料理を提供する中華レストラン
  2. デリバリー可能
  1. 北海道への進出

②台湾への進出(親日国)

新規
  1. 限定商品・季節商品の開発
  2. 場中国の知られていないスイーツを掘り起こす
  1. 中華料理店のノウハウを生かしたオンライン料理教室

既存市場・既存製品からどのように事業を伸ばせるのかを考えるために利用できるのがアンゾフの経営マトリクスです。ぜひ他社の事業展開についてもこのマトリクスを利用して分析してみてください。今後の経営の参考になるかもしれません。

SWOT分析とTOWS分析

SWOT分析は強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの象限のマトリクスを使って事業を分析するフレームワークです。そしてその4つの要素を「脅威」、「機会」、「弱み」、「強み」の順番に紹介するとTOWS分析です。要はSWOT分析とTOWSは双子のような存在。同じことをしているだけで、紹介する要素の順番を変えているのです。[5]

ではSWOT分析(TOWS分析)の実例を挙げてみましょう。東京ディズニーランドで有名なオリエンタルランドのSWOT分析[6]です。

S(強み)
 ・入場者数世界最大の東京ディズニーリゾートを運営している
 ・ディズニーブランドが強力な競争優位性を持っている。
 ・自己資本比率が高く、財務構成が良好である。
 ・広い土地がある。
 ・テーマに夢がある。
W(弱み)
 ・ディズニーブランドへの依存度が高い。
 ・施設が千葉県浦安市に一極集中しているため、地理的リスクが高い。
 ・中期的には東京ディズニーリゾート入園者数の大幅な増加が見込めない。
O(機会)
 ・脱舞浜に成長機会がある。
 ・新興国を中心とした外国人観光客の増加が期待できる。
T(脅威)
    ・人口減少と少子高齢化により国内市場の縮小が予想される。
    ・所得の減少や雇用環境の悪化により、個人消費の低迷が継続している。

今後の事業展開を検討する際、SWOT分析を利用して情報を整理していくことが望ましいでしょう。

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)

PPM分析は多角的な事業形態をとっている企業での、各事業の今後(各事業にどのくらいの予算を割り振るか)を検討するために利用されています。
自社事業を①問題時②花形③金のなる木④負け犬の事業に分類します。[7]
この分類は「相対シェア(自社の市場シェア÷自社以外の最大競争相手の市場シェア)」と「市場成長率(その市場の今年の総売上÷その市場の前年度の総売上」の2つを用います。

とある企業Aではシャンプー用品、介護用品、医薬品(小売り)、医薬品(業務用)、衣料品という5つの事業を多角的に行っているとします。

それぞれの相対シェアと市場成長率は以下の通りです。

シャンプー用品事業【青】:相対シェア(0.72)、市場成長率(1.15)
介護用品事業【ピンク】:相対シェア(1.31)、市場成長率(1.43)
医薬品(小売)事業【緑】:相対シェア(1.76)、市場成長率(1.68)
医薬品(業務用)事業(紫):相対シェア(0.41)、市場成長率(0.71)
衣料品事業【ベージュ】:相対シェア(1.50)、市場成長率(0.68)

この場合、PPM分析では以下のような図になります。

図の中の円の大きさは売り上げの規模です。

この結果から、事業を継続するのか撤退するのか、あるいはさらに資金を通しして事業を拡大するのかを検討するのです。分析の結果を基に、花形事業は市場シェアの維持、問題児は事業拡大もしくは事業撤退、金のなる木は利益の最大化、負け犬は利益の最大化もしくは事業撤退というように、各々の事情を今後どのように展開していくかを検討する材料となります。

AISAS分析

AISAS分析は、自社商品がどのように広がっていくのかを分析するフレームワークです。Attention(注意・注目)、Interest(興味・関心)Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)という5つの項目に対して戦略を立てていくのです。各項目では以下のようなことを抽出します。[8]

Attention(注意・注目):自社商品の存在を知ってもらうにはどうするか
Interest(興味・関心):注目している人たちにどのように関心を深めてもらうか
Desire(欲求):買いたい!と思ってもらうにはどうしたらよいか
Memory(記憶):人々の記憶に自社商品を残すためにどうするか
Action(行動):購入してもらう(しやすくする)ためにどうするか

もしこの商品が「女性用育毛剤」だった場合、このようになります。

Attention(注意・注目):新商品Aを○○地区電車広告で宣伝する
Interest(興味・関心):朝のニュース番組で特集を組んでもらう
Desire(欲求):新商品Aの利用前・利用後のビフォーアフターを紹介する
Memory(記憶):新聞広告欄に定期的に広告を掲載する
Action(行動):販売店で無料サンプルを定期的に配布する、オンラインで商品を販売する

この各項目について具体的に落とし込んでいくのです。

例えば「オンラインで商品を販売する際に、中身を知られないような無地の包装にする」「1000円以上購入で送料無料とする」などです。

 

フレームワークを学ぶ方法

フレームワークはオーソドックスなものからそうでないものまで、たくさんの種類があります。その中でどのフレームワークを選ぶかというのは、経営者や責任者のセンスでもあります。あるいは複数のフレームワークを組み合わせて利用することもあります。[9]

今はインターネットサイトの中にもフレームワークを紹介しているサイトがたくさんあります。しかし、オンラインの情報がイマイチ信用できない、あるいはもっと専門的に勉強してみたいと考える人には、外部機関での講習や、書籍での学習をお勧めします。

書籍などで自主勉強する

書籍であれば「広く浅く」の初心者向けのものから、個別のフレームワークに対する専門的なものまで様々です。
まずは多くのフレームワークを紹介するものを読み自社の経営改善に使ってみたいフレームワークを選定し、その後選定したフレームワークに関する専門書籍で勉強するという方法もおすすめです。
「なんだか、苦手なんだよなぁ」という人は、初心者向けのたくさんのフレームワークについて簡単に説明してあるものから始めてはどうでしょうか。

セミナーなど外部機関を利用して勉強する

オンライン上でビジネスフレームワークを学べるセミナーの情報はたくさん出ています。また、書籍を読んでいると、著者がビジネスセミナーなどで講師をしていることがあります。
セミナーに出席すれば、わからない部分を講師に確認することができますし、ビジネスフレームワークを学びたいという仲間を作ることもできます。独学をする際に同じ目的を持つ仲間がいると、心強いものです。

 

まとめ

「ビジネスフレームワーク」と聞くとなんだか高尚すぎて、とっつきにくいもののような気がしてしまいますが、経営現場の問題解決に一役も二役もかってくれるものです。フレームワークについて理解を深めると、既存のフレームワークを使うのではなく、複数のフレームワークを組み合わせることで独自のフレームワークを作り上げることもできます。「経営問題で困っている」という人は、是非ご紹介した事例を参考に「まず使ってみる」ことをお勧めします。

 

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参照

[1]http://www.biz-hacks.com/column/rudy03_06.html
[2]https://allabout.co.jp/gm/gc/412765/
[3]https://www.chintaikeiei.com/column/00000681/3/
[4]https://www.sbbit.jp/article/cont1/30111
[5]https://www.manetama.jp/report/business-framework-hack-swot-tows/
[6]http://www.darecon.com/swot/index.php?%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
[7]http://takapi-blog.jp/product-portfolio-managemment/
[8]https://kigyotv.jp/news/aidma/
[9]https://chusho-shindan.com/framework/